暗号資産を取引所やウォレットへ送るときは、アドレスだけでなく、送信元と受取先が対応するブロックチェーンのネットワークも確認します。日本語のFAQでは暗号資産送金のネットワーク選択として案内される手順で、同じ銘柄名でも複数のチェーンに対応している場合があるためです。最も安い手数料を選べばよいわけではなく、受取側がそのネットワークとトークンを扱えるかが先に来ます。

間違ったネットワークを選んだ場合、資産が反映されなかったり、回収に対応できなかったりする可能性があります。復旧できるかは送信元・受取先のサービス、ネットワーク、アドレスの管理方法などに左右され、必ず戻るとは限りません。少額の送金でも、確認の順番を省かないことが重要です。

同じ銘柄名でもネットワークが異なる

暗号資産は一つのネットワークだけで扱われるとは限りません。USDTなどは複数のブロックチェーン上で発行されており、取引所やウォレットが対応するチェーンの範囲もそれぞれ異なります。送信元で選んだネットワークと、受取先の入金画面に表示されているネットワークが一致しているかを照合します。似た名称や同じトークンのロゴだけで互換性を判断しないでください。

ネットワーク名の表示は、サービスによって「Ethereum」「ERC-20」のようにチェーン名とトークン規格を組み合わせることがあります。受取側がERC-20だけを受け付けるなら、別チェーンの同名トークンはそのまま入金として扱われない可能性があります。送金前に受取側の公式サポートで対応ネットワークを調べ、送信側の候補と一つずつ突き合わせましょう。

送金前の確認ステップ

  1. 受取側で入金情報を表示する: 銘柄とネットワークを選び、受取アドレスと必要なメモ・タグがあれば記録します。
  2. 送信側で同じ銘柄とネットワークを選ぶ: 送信元と受取先の両方で対応が確認できるネットワークにします。
  3. アドレス全体を照合する: コピー後に先頭・末尾だけでなく、貼り付けた宛先と受取画面の内容を確認します。
  4. タグやメモを確認する: 取引所などの共同アドレスでは、入金先アカウントを区別するためタグやメモが必要な場合があります。
  5. 金額、最低入金額、手数料を確認する: 表示される受取額がネットワーク手数料を差し引いた後の額か、最低条件を満たしているかを確認します。
  6. 確認画面でもう一度見る: アドレス、ネットワーク、数量、手数料を最終画面で再確認してから送信します。

Coincheckは、送信元でネットワークを選ぶ場合にCoincheck側が対応するネットワークを選ぶよう案内しています。Binance Japanも、送信元と受取先のネットワーク一致を確かめ、単に最安の手数料を選ばないよう説明しています。これは各社の案内例であり、他の取引所や自己管理ウォレットが同じネットワークに対応するとは限りません。使用中のサービスの最新サポート表を必ず見てください。

手数料と受取額の違い

出金画面に表示される手数料は、取引所が設定する出金手数料の場合もあれば、ネットワーク上の処理費用に基づく場合もあります。表示方法はサービスにより異なり、混雑時にはネットワーク処理の見積もりが変わることがあります。日本円換算の表示だけを見ず、暗号資産で差し引かれる数量、受取先に届く予定額、最低入金額も確認しましょう。

同じ銘柄を複数ネットワークで送れる場合でも、費用だけでルートを選ぶのは危険です。受取先が対応しないネットワークを選べば、安い手数料で送れても残高に反映されない場合があります。比較の順番は、まず対応可否、次にアドレスとタグ、最後に手数料と処理時間の目安です。手数料は予告なく更新される場合があるので、古い記事の金額を現在の出金画面に当てはめないでください。

タグ・メモが必要な場合

一部の暗号資産では、取引所が複数のユーザーに同じ受取アドレスを使い、宛先タグやメモで利用者を識別することがあります。タグの要否は通貨と受取サービスにより異なります。アドレスだけをコピーし、タグ欄を空欄にしたまま送ると、着金確認に追加対応が必要になったり、受取先で自動処理できなかったりする可能性があります。受取画面にタグやメモが表示されるなら、その指示に従ってください。

逆に、受取先がタグを求めていないのに、別の通貨のタグを流用するのも避けます。必要項目を推測せず、対象銘柄の入金ページを開き直して確認しましょう。カスタマーサポートが連絡してきたと称する相手に、アカウントのパスワード、二段階認証コード、秘密鍵を渡してはいけません。

少額テスト送金は万能ではない

新しい宛先を使う場合、対応する範囲で少額を先に送り、正しいネットワークと受取先で反映することを確認してから次の送金を行う方法があります。ただし、テスト送金は必須・無償とは限りません。出金最低額や固定手数料がある場合は、少額にしすぎると送れない、または費用が割高になることがあります。受取側の最低入金額、ネットワーク確認時間、追加の注意事項を先に調べてください。

一度目の送金が「完了」と表示されても、取引所の出金処理が終わっただけの場合があります。ブロックチェーン上の承認や受取サービスの入金処理には別の時間がかかることがあります。取引ID(TxID)を保存し、ネットワークに対応したブロックエクスプローラーで状態を見てから、受取先のサポートへ問い合わせましょう。問い合わせるときも、シードフレーズや秘密鍵を共有する必要はありません。

間違いに気づいたら

送信前の確認画面で不一致を見つけたら、確定せず、受取側の入金情報をもう一度表示してください。すでに送信した場合は、TxID、送信ネットワーク、宛先、銘柄、タグの有無を記録し、送信元と受取先それぞれの公式サポートに相談します。回収可能性は状況によって異なり、手数料や本人確認が必要な場合もあります。第三者が回収を約束して秘密鍵や前払いを求める場合には応じないでください。

日本の取引所では、同じ銘柄でも対応ネットワークが異なることがあります。コインチェックの対応ネットワーク案内、bitbankの送金時のネットワーク選択FAQ、Binance Japanの入出金手順など、利用する事業者の最新情報を確認してください。CryptoSigyの暗号資産送金・取引ガイドと日本語の記事一覧も、手数料やウォレットの基礎を読む際に活用できます。

よくある質問

一番安いネットワークを選べばよいですか? いいえ。受取先が対応していることが先です。対応しないネットワークに送ると、入金されない、回収できないなどの問題が生じる可能性があります。

送金が反映されないときはどうしますか? TxID、ネットワーク、アドレスを確認し、送信元・受取先の公式サポートに問い合わせます。復旧できるかは状況によって異なります。